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3D、コンポジット、マッチムーブ、カメラ、撮影について色々書きます。

18%グレーボールの作り方

過去に2度グレーボールに関する記事を書いてますが、続・グレーボールについて考える
知人の依頼で作成したグレーボールが簡単に高精度な18%のグレーボールを作成できたので、そのときの材料、手順を公開しておきます。
DsCSmsaUwAAYez2.jpg


今回取引のある知人からの依頼だったので作成しましたが、基本的に制作請負はしていません。

※塗料は置いておくと顔料が分離し、今回のグレーだと白が沈殿黒が浮いた状態になります。そのため調色前、調色後共に撹拌具合により多少のムラが出ます、そのため100%の確率で正確な18%グレーを再現できる方法ではありません。
今回の添付の計測は奇跡的な値が出てますが、後日残った塗料を再度撹拌し使用した際には約19%の値になりました。




18%の確認にはNix Pro Color Sensorを使用しました。ILM等でも使用されており現物のカラーリファレンス取得に便利です。

DsCMIkTVAAAC18G.jpg



材料  ハーフミラー1/4三脚穴付きグレーボール
素材
・銀玉(今回はハーフミラータイプなので)ステンレス球 ミラー仕上 径100×1.5mm
・ガイアカラー 073 ニュートラルグレーIII
・ガイアカラー 074 ニュートラルグレーIV
・ガイアカラー Ex-03 Ex-クリアー
・T-01 ガイアカラー薄め液
・塗料混合用のスペアボトル 30ml以上のサイズ
・染めQ プライマー スプレー ミッチャクロン マルチ 420ml

上記塗料で10cm球体2個(ハーフミラーで4個)ぐらいは確実に塗れます。


加工工具
三脚穴開け加工
・卓上ボール盤 すでに手持ちのもの※ステンレスに穴あけの場合ハンドドリルでは危険です。
・NACHi(ナチ)ステン用 AG-SUSドリルショート AGSUSS 5.1mm
・1/4mmネジタップ すでに手持ちだったもの

塗装/加工
・マスキングテープ
・エアスプレー
・その他ヤスリ等
・ピカール 金属磨き




制作手順
1:銀玉にボール盤で穴あけ。ステンレス用ドリル刃推奨
2:三脚固定穴をタップでネジ切り。厚みが1.5mmなのでギリギリネジ溝をつけれます。
3:半分マスキング 今回はハーフミラー仕様なので半分をマスキング。※ターンテーブルと油性ペンでセンター出ししました。
4:銀玉の塗装面の油分、ホコリを取り除き(うすめ液やパーツクリーナー等で拭く)

5:下地としてミッチャクロンを塗装※ステンレスは塗料が剥がれやすいため剥がれにくくするための処理です。

6:ニュートラルグレーIIIとニュートラルグレーIVを事前にしっかり撹拌しスペアボトルに両方すべて入れ1:1で混合し撹拌。これで18%グレーの塗料の完成です。
ラッカー系塗料の中ではおそらく最安で作成出来る高精度な18%グレー近似値になる塗料です。
073.jpg074.jpg


7:混合塗料をうすめ液で2~3倍程度に希釈しエアスプレーで塗る。数回に分けて重ね塗りします。

乾燥

8:Ex-クリアーをしっかり撹拌し、うすめ液で2~3倍程度に希釈しエアスプレーで塗りつや消し処理をする。ある程度重ね塗りし好みのつや消しになるようにする。
ex-04.png


9:ミラー側の小さな傷をピカールで磨き鏡面をきれいにし、完成。


今回思った以上に精度の高い18%グレーを簡単に作成出来たので共有となりますが、前回記事で書いている通りグレーボールがそこまで高精度な18%である必要はありません。カラーチャートの方が大事でグレーボールは光源方向と影のレベルを確認する程度のものです。
Nix Pro Color Sensorを使えばどのような塗料でも簡単に高精度にCG上で色を再現出来きます。つや消し処理はしていますがそれでもスペキュラは乗るためCG上のグレーボールでもラフネス値の調整が必要です。
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