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3D、コンポジット、マッチムーブ、カメラ、撮影について色々書きます。

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カメラの話をしよう!・アナモルフィックレンズ編

第五弾・アナルモフィックレンズ編

今までの話で散々出てきたアナモルフィックレンズ。
アナモフィックレンズ何なのかどんな特徴があるのかまとめていきたいと思います!

Anamorphic_00.jpg
※シネマ用アナモルフィックレンズを持っても使ってもないので間違いあればご指摘を

アナモフィックレンズ聞いたことはあるけど何なの?

以下wikipediaより参照

アナモルフィック・レンズ (英: anamorphic lens) は、映画フィルムでワイドスクリーンを撮影・再生するための特殊なレンズ。アナモフィックレンズ、円柱レンズともいう。

カメラに取り付けられたアナモルフィック・レンズはワイドスクリーンの幅の映像をほぼ半分のサイズに圧縮・縮小し、標準的な35mmフィルムのフレームにフィットさせる。この時のフィルムの画像は縦長になっている。

映写機にとりつけられたアナモルフィック・レンズは圧縮していたものを、元のサイズに戻して拡大し(スタンダードの画面サイズ縦横比1:1.33に代わる1:2.35のアスペクト比をもったワイドスクリーン映像として映写する。

元来は、フランス人の天文学者アンリ・クレティアン(リッチー・クレティアン式望遠鏡の発明者)が第一次世界大戦のとき、戦車の視界を良くするために開発したものであり、1952年に20世紀フォックスがそのシステムの権利を買い取り、シネマスコープとして商業的に発展させた。『聖衣』(ヘンリー・コスター監督、1955年)は最初にこのシステムを用いた映画である。

2つ以上のカメラや特殊な装置を使用する初期のワイドスクリーン・システムに対して、アナモルフィック・システムの大きな強みは、通常の35mmのカメラと映写機を用いても、特殊なレンズさえ用意すれば良い点にあった。別のスタジオでも、それぞれ独自のアナモルフィック・システムあるいはスコープ・システムが発展した。

特殊なレンズの特性上、画面左右には歪曲収差が出る。また、被写界深度が浅くなりやすい。


さらに詳細は英語版wikipediaのAnamorphic formatの項目を御覧ください

取り敢えず他のレンズと違う点を上げていくと
・撮影された映像そのものは横に潰されたような映像になっている。
・ボケの形状は楕円である。
・横に伸びたフレアが発生する。
・独特なレンズの歪みがある。
など

要するにフィルムをより効率的に使いよりワイドな画を撮りたいということから使われ始めたもので、
最近ではデジタル撮影で必要ないにもかかわらずフレアやボケ出すため好んで使う作品がSF作品などで多いです。

円柱レンズってどんなもの?
以下のようなレンズが円柱レンズ、シリンドリカルレンズと言われるものです。
円柱状の凹レンズ凸レンズの組み合わせにより映像を圧縮しています。
奥手前で一つの対になっており、2つのパターンの図です。
当然これだけではコンバージョンレンズになってしまうのでさらに数枚の通常のレンズが組み合わさる事で
撮影用のレンズとなります。
プロジェクター用のアナモルフィックレンズはこの二枚構成の物がほとんどのようです。
Anamorphic02.jpg
円柱状(シリンドリカルレンズ)の凹レンズ凸レンズの組み合わせにより映像を圧縮しています。
(凸レンズでは横伸び、凹レンズで横圧縮)
右二枚のパターンと、左二枚のパターンのふたつのパターンが多いと思います。
当然これだけではコンバージョンレンズになってしまうのでさらに数枚のレンズが組み合わさる事になります。
逆にプロジェクター用のアナモルフィックレンズはこの二枚構成の物がほとんどのようです。



今でも頻繁に映画で使われているアナモルフィックレンズは基本的にはPanavisionのものかと思います。
当然シネマレンズのメーカー各社出してはいるようですがPanavisionのものを使ってる作品は多いです。
このロゴ、エンドロールで見かけることが多いかと思います。
panavisionLogos.jpg
これらのロゴが入っている作品はPanavisionのレンズで撮影された作品となります。

ここで面白いのが、Panavisionの公式サイトでのレンズ説明です。
幾つかシリーズがあるのですがC Series Anamorphic Prime Lenses、これは1960年代からあるシリーズで、
なぜこれらがいまだに使われるかというと、レンズコーティングが今からすると古いもので、青い横長のフレアが
発生しやすいのです。逆にいえば改善できるものをせず言えばフレアを出やすくしてるともとれます。
※当然他のシリーズでは反射防止のコーティングがされておりフレアがおきにくくされています。

ということでSF作品でよく目にする青いフレアはレンズコーティングによるものだということが分かります。


上記の説明の通り撮影時の映像は横に圧縮されます。
最近ではデジタル上映も多いので、上映時に引き伸ばすと言うよりは、取り込み時に最終的なアスペクト比に
修正して編集やVFX処理通常フローだと思います。
(アスペクト比だけで言えばアナモルフィックレンズではなく純粋に上下をクロップしている場合もあります。)
Anamorphic.jpg

さてアナモルフィックレンズで撮影すると楕円のボケで、横長のフレアが出て、なんかカッコイイとか
リッチな画になった感じでいかにも映画っぽい画になり利点ばかりに思われますが、VFX処理をする上では
そうではありません、では悪い点を上げてみましょう。
撮影において
・撮影時デジタル撮影であってもカメラかモニタが引き伸ばし対応していないと最終的な画で確認がすぐできない
・フォーカスポイントが浅いのでピント調整がシビア
・構図が取りにくい
VFX・CG作業において
・レンズの歪みが特殊なためトラッキングのための補正やCGのなじませが通常より大変
・ボケが楕円形状になるためCGに対してもそのような処理が必要
(処理が大変と言うより深度によって楕円率が変わるため調整が必要特にフォーカス送りをした時)
・フレア、ゴーストが入りやすいので場合によってはCGを乗せるために消す作業等が発生
・歪みに付随するものですが、収差も特殊なため合成時に邪魔になる可能性があります。

さて結構疑問に思うところとして、何で元に戻してもボケの形状は楕円のままなのか?という点です。
少し先に書きましたが、レンズの特徴としてフォーカスポイントの前後で圧縮率が変わります。
奥に対してはよりキツくかかるのでボケの形状は楕円のままとなります。
レンズの組み合わせによるのですが、フレアのゴーストは横長に伸びることもあります。
これは上記レンズ構成の画像を見てもらうと分かるのですが凹レンズ凸レンズの組み合わせにより
映像を圧縮しているので凸レンズに乱反射して写り込んだゴーストは横長となります。
なので当然絞り形状の出やすい撮影をした場合、絞り形状が楕円になったボケ形状になります。
歪みのキツいまま絞りを通る事で元に戻しても楕円のままとなります。絞りの形状が楕円ということでは
ありません。


さて実はアナモルフィックレンズにはもうひとつ別のタイプのものがあります。
それはプリズムレンズを使ったもので、アナモルフィックレンズが使われ始めた頃は撮影でも使われて
いたようですが最近ではプロジェクター向けでの用途でしか使われないと思います。
三角(台形)柱のプリズム二枚を斜めに配置したもの2枚でひとつの構成となります。
Anamorphic03.jpg
・ボケ形状は円柱レンズ同様に楕円形になります。
・レンズの面は平らなのでフレアはさほど伸びたものにはなりません。
・左右で光の入射角が変わるため撮影にはあまり向きません。
・レンズの角度を変えることで圧縮率が変わるためフォーマット(アスペクト比)の変更が可能



こちらでシネマ用アナモルフィックレンズによるフレアのテスト映像が見れます。(再生リスト)

↓元サイト
http://www.claudiomiranda.com/Extras.html


特性を踏まえた上で、CGでの再現について

CGで再現するときわざわざ横圧縮した画像にする必要はありません。フレアもボケも後処理で加えれます。
・フレア
合成時の基本ルールはコンポジット編のものとなります。
フレアに関しては同じく前回の記事でも書きましたが最終的にはカッコ良ければ良いと思います。
ただ、本来であれば上のようにリファレンスを用意してをしっかり観察した上でより自然なものにしたいですね。
やっぱりアナモルフィックレンズのフレアは普通のフレアと違ってすごく特殊な部類に入ります。
安易に加えてもフレアに目がいき、本来見せたいものに目が行かなくなります。
上手く使うと情報量も増えかっこ良くもなります。

フレアはレンズを変えたりフードをつけたりハレギリすることで出にくくすることもできます。
なので光源があるからと、とり敢えずのせておくというのも良くないと思います。
本来ほんとに光源が正面を向いてレンズに向くような場合でないとフレアは出ません。
それを知った上で、フレアを好んで使っているSF系の作品などを見るとわざと光がレンズを向くような
通常はしないようなライティングになっていたりするのが分かると思います。

また、レンズによりますが本来、結構強い光でないとはっきり見えるフレアは中々見えません。
光のエネルギー量を考えてそこにフレアを足すか足さないかのボーダーを作るのもいいかもしれません。
より小さく強い光源でキッパリとしたフレアになります。
暗い空間での光源でより青いフレアになります。(コーティングの性質上青いフレアが出ると仮定して)
明るい空間で適正露出の場合フレは白飛びするので綺麗な青のフレアではなくなります。

コーティングによっては当然青いフレアは出ません。
光源の色によっては光源色のフレアになります。(青いフレアは白い光源でより出やすい)

レンズの形状の特性上左右の光源に対しては通常のレンズより広い範囲で入ることがあります。
逆に上下に関しては通常のレンズより拾う範囲が狭くなります。

上でも書きましたがレンズ構成によっては手前ピンで写り込んだゴーストは絞り形状を横に伸ばしたものになります。

レンズの構成によっては二重三重に短いフレアのラインが重なって出ます(レンズ内で内部反射したもの)


・ボケ
ボケに関しては大抵のフォーカス系のプラグイン等であればアスペクト比を変えれるのでそこで楕円のボケに出来ます。

実写素材で既にボケが入ってる場合楕円にすることはまず出来ないと考えたほうが賢明だと思います・・・
次に紹介するようなフィルターを使うとアナモルフィックレンズで無くてもそれっぽいフレアを撮影時でも足せます。
その場合ボケの形状は楕円では無いのでそのような映像自体は後処理なしでも撮影できるということになります。



さてアナモルフィックレンズってとっても高いです。シネマ用のレンズは中古でもちょっと手を出しにくい
ものです。

自分はもろもろ検証用にプロジェクター用のものを購入しました。基本的な現象仕組みは同じなので、
実験やフレア素材を撮影する程度には十分だと思っています。
その辺含め、次はアナモルフィックレンズ特有のボケや、フレアを模す方法を紹介しようと思います。
DIYアナモフィックレンズ
関連記事

コメント

シネスコレンズ

シネスコレンズレンズにはシリンドレンズとプリズムレンズと1:2楕円に削り出した楕円レンズがあります。
製作が困難なのであまり製作はされませんでしたが存在します。
参考に

  • 2013/02/20(水) 13:45:40 |
  • URL |
  • hiro #xPR/ZykM
  • [ 編集 ]

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