CGcompo

3D、コンポジット、マッチムーブ、カメラ、撮影について色々書きます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マッチムーブのクオリティをアップさせよう!

前回に引き続きマッチムーブの記事です。
今回は前回詳しく書かなかった焦点距離などについて詳しく書いていきます。
少し難しい話ですが、VoodooのみでなくSynthEyesやMathmover等でも必要な知識となります!




マッチムーブで大切な数値は、VoodooではFocal Length、Film Backとなっています。
Focal Length=焦点距離ここで必要とされるのは実焦点距離。f値です。
Film Back=撮像素子、撮像画面サイズ、センサーサイズ、などにあたるものです。
他のソフトでも言い回しが違う場合がありますが、必要な情報は同じです。

では詳しく見ていきましょう。
camera
実際のここまでシンプルなわけではありませんが、大体このような感じになります。

ではなぜ、撮像素子と、焦点距離の情報が必要なのか?
撮像素子の大きさはカメラによって違います。このサイズが変わると、焦点距離が同じでも、
画角が変わってします。画角が変わると映像のパースが変わってしまいます。
焦点距離も同じで距離が変わると画角が変化してしまいます。前回の記事でズームがダメと言った
のはこの焦点距離が変化してしまうので、分からずトラッキングをすると場合によっては大きな
ズレが出てたりする原因になったりします。より高い技術が必要です。

これらの数値を入力する事で、3D空間に構築されるカメラがより実際に近い物となります。
また焦点距離は基本自動で算出されますが、数値が分かっているとうまく算出出来ているかの
確認ができ、またエラーでうまく行かない時両方の数値を入れることでうまく行くことがあります。

ではどのような数値を入れればいいのか?
まず撮像素子のサイズは自分の持っているカメラの説明書やメーカーサイトで確認します。
では僕の持っているeos kiss x3で見てみましょう。ここでは撮像画面サイズ22.3×14.9mmと表記
されています。しかしこのサイズは写真撮影時に使用される範囲です。では動画撮影時は?
camera2
おそらくこのカメラではこのようにセンサー部分が使われていると思われます。

おそらくと言うのは実際はメーカーに問い合わせでもしないと実際のところ分からないからです。
さらに今回は撮像画面サイズが書かれていましたが、大抵の場合1/1.8型と言うように
センサーサイズしか書かれて無いことが多いいです。
以下に事前に調べて出てきた数値を書いておきますが、これが絶対ではありません。
というのもまず1/1.8型と言うのはセンサーのイメージサークルの対角の長さを示し単位はインチです。
しかし、実際撮影に使われるのはこれよりも小さい範囲でメーカーによって違う場合があります。
さらにメーカーによってはセンサー自体が16:9のものもまれにあり、さらに表記されている数値は、
センサーの最大範囲で、動画撮影時にどの範囲が使われて撮影されているのかは正確には分かりません。
大抵の場合上のような使われ方だとは思いますが非常に難しい問題です。だた近い値を入れるだけ
でも入れないより精度向上にはなると思います。

型名サイズ(mm)
35mmフィルム36.0×24.0
APS-C型23.7×15.6
4/318.0×13.5
2/38.8×6.6
1/1.77.6×5.7
1/1.86.9×5.2
1/26.4×4.8
1/2.36.2×4.6
1/2.336.2×4.6
1/2.45.9×4.5
1/2.55.7×4.3
1/2.75.4×4.1
1/34.8×3.6
1/3.24.5×3.4
1/43.6×2.7


これらの数値では写真撮影時の値なので動画撮影時に使用される値を出す必要があります。
例えば16:9の動画だと、16:9=横:高さ ここでは高さを出したいので 高さ=9×横÷16 です。
4:3の動画の場合初めから4:3の値のセンサーもあるのでセンサーによって変わります。

さて、長くなりましたがこれでFilm Backの値を入力出来るようになりました。
しかし、もう一度言っておきますが、メーカーによってセンサーのサイズも比率も違うので、
これらの数値などが、一概に正しいとは言えません。


続いて焦点距離の求め方について。
ズームをかけないか、めいっぱいズームした場合の値はメーカーの公表値でわかると思います。
このとき注意しないといけないのが、35mm換算時の値と間違わないようにすることです。
もしズームをかけて撮影したい場合普通のカメラはカメラ自体に焦点距離などの情報が表示されない
ので少し厄介になります。一眼などでも目で確認出来るものはあまりにアバウトです。
そこでマッチムーブ@wikiにある情報参考にしてみましょう。
これは最近のカメラは写真も動画も撮れると言う事を生かした方法で、撮影時に撮影したい
レンズのズーム設定で一枚写真を撮っておきます。
大抵のカメラの場合Exifと言う情報が一緒に含まれているのでそれを見ることで焦点距離の数値を
知ると言うものです。詳しくはWikiを見てください。


では大体の値が分かったのでこれらの数値を活用しましょう。
Voodooではまず、 View>Camera Parameter>のFilm Backに値を入れます。
camera parameter2

取りあえずこれでトラッキングをしてみましょう。というのも上記の通りセンサーサイズの数値
が正しいかわからないからです。焦点距離の値も入れてしまうと画角が固定され逆に精度が
落ちてしまう可能性があります。トラッキングが終了したらもう一度Camera Parameterを開いて
Focal Lengthの値を見てください。映像にもよりますが、撮像素子の値が大体合っていた上で、
うまくトラッキング出来てると、メモしていた焦点距離の値にほぼ近い値が出ているはずです。
大抵の場合これでほぼ問題無く合成作業は可能だと思います。
Film Backの値が正確な場合焦点距離も入力することでより精度がアップするかと思います。


焦点距離も自分で入力する場合View>Controls>のEstimation>Free Move>Estimation Intrinsics
のFocal Lengthの項目をUser Fixedに変更します。これでCamera Parameterに自分で入力した
Focal Lengthの値でトラッキングをかけれます。
Contorol Panel 1

さてどっちの数値もよく分かりません!と言う方もいると思います。また、自動で出た数値でも、
精度の問題はあれど一応合成は出来るんじゃと?出来たよ?と思う方もいると思います。
確かに一応可能だと思います。ただ動き自体合っていてもパース、距離が本当にあっているのかが
問題になります。その確認方法として撮影時3Dのオブジェクトで隠れるようなところに正方形の
紙などを置きます。※紙じゃなくても窓や地面のタイルなど比率がわかる物があればいいです。
(撮影時計測しておくいいです。)トラッキング後3D上で同じく正方形の平面を制作。サイズ調整し、
トラッキングされたポイントを見ながら、対応する位置に置いてみましょう。カメラの画角等が
合っていれば時間を進めても、紙と平面の位置が変わったり、パースがずれたりしないはずです。

これらの操作をしていると気づいてくる方もいると思いますが、焦点距離などの数値以外にも、
始めに掲載している動画のように映像に合わせて、モデリングなどをする場合あった方が良い
情報として、映像に映っている物の実計測です。これらがあるとより作業が早くなります。
見た目だけでモデルを合わせていると、形が変になったり時間を進めるとズレが生じたりします。
と言う事でマッチムーブにメジャーとメモ用紙は必須アイテムです。
またスチルショットも合わせて撮影しておくとテクスチャとして使えたり、Photoshop等を使い
距離を計測したりもできます。モデリング時の資料にもなります。
映っているもののスケールが分かっていると、合成するオブジェクトのスケールもより現実に近い
物にすることが出来ると思います。
正確にトラッキング出来ているとトラッキングポイントと、実計測によって合わせたオブジェクト
がきちんと重なるように合わさるはずです。
背景をモデリングするとカメラマップを使いテクスチャが貼れるのでマットペイントなども可能
になります。またこれらをマスクとしたり、影が被る場合リアルに影の表現ができます。
また精度は良くありませんが、簡単に映り込み用の環境マップ変わりにもなります。

スケールの調整。上記のような計測データががるとシーン全体のスケールでけでなく、合成する
オブジェクトのスケールもより現実に近い物にすることが出来るのでよりリアルにできます。


リアリティをアップするためには、3D上でのライティングが重要になってきます。そこで必要に
なるのが光源と影の方向です。意外と映像だけでは判断しにくい場合があるので影の長さや角度、
光源の方向(太陽光なら日時方角情報があれがMAXなどでシュミレーションも可能かと。)を計測
またスチルショットとして抑えておけばリアルなライティングが可能になると思います。
また、撮影環境があるならHDRI素材を撮影する事で環境マップやIBLに使えます。


シーンによってはポイントとなるものが少なくトラッキングできない事があります。
その場合撮影時に拾えるポイントを増やす必要があります。屋外の場合最悪、石ころでもいいです。
暗い場所で撮影する場合映画などではLEDのライトをポイントとして置いて撮影たりするようですが、
難しい撮影なので基本暗闇はマッチムーブ向かないと思った方が良いでしょう。

他にもマッチムーブに向かないシーンがもあります。そのひとつが照明の変化するシーンです。
照明が変化するとポイントの色なども変化してポイントが拾えなくなってしまいます。
さらに反射物の多いい場所です。カメラが動くとハイライトや写り込んだ物が変化するので、
動態に弱いVoodooでは特に良くないです。ソフトによってはその部分を除外する事でうまく行ける
場合や、手動トラッキングをする事で対応が可能な場合があります。
あまりに奥行がるシーンも正確な計算ができずマッチムーブに向きません。
このような場合SynthEyesは比較的自由度が高く手動トラッキングによるマッチムーブに強いです。

パンやティルトのようなカメラワークも一応トラッキングできますが、奥行き情報は算出できない
ので3Dのオブジェクトを合わせるには計測情報やカメラの角度、高さなどの情報があった方が3D上
で位置合わせがしやすくなります。

最後にコンポジット時のテクニック。
まずは前回散々言いましたがフレームレートには注意しましょう。
3Dの素材を合成するときはカラコレを適切に行う必要があります。CG素材は彩度が高い場合が
多いので彩度の調整や、影の色み、濃さなどの調整も大切です。
このとき各要素ごと(カラー、スペキュラ、反射、AO、影、Zバッファなど)に分けておくと
レンダリング後も微調整が可能になります。
レンダリング時はAOやGIの設定をした方がレンダリングには時間がかかりますが、実写には馴染み
やすくなります。
見逃しやすく重要なのがモーションブラーです。3D素材のままではエッジが浮いてしまうので
モーションブラーや、ブラーをかけエッジをなじませます。
実写映像にはノイズがあります。After Effectsなどの場合グレインマッチ等のエフェクトを使い
ノイズを加えることで断然馴染みが良くなります。
細かいポイントはまだまだあると思いますがこのあたりの作業をすると馴染みが良くなります。



今回は少し難しい話でしたが、精度を上げるには大切な要素だと思います。
ただ結論としては見た目がおかしくなければ問題ない!だと思いますwwww

以上2回に渡ってマッチムーブの基本について書きました。みなさんのマッチムーブライフに
少しでも役に立ったでしょうか?


最後に
自分もまだまだ勉強中の身なので、もし見当違いの発言をしている場合ご指摘ください…
また不足情報や、疑問等あれば答えれる範囲で回答するので気軽にコメント等してください。
関連記事

コメント

すばらしいです

はじめまして。イワノと申します。

Voodooは4年くらい前に少し触ってみたことがあったのですが、
なんとなく遊びでやっていたので、うまく使えませんでした。

今回のkurono73さんのブログを読みまして、Voodooでまたやってみたいなあと思いました。
といってもちょうど先日MathmoverをDLしたところですが・・

撮像素子と、焦点距離の話は丁寧に説明されていてとても勉強になります。
今後の記事も楽しみにしています。

ボクの書いてるブログでも後で紹介させていただきまーす。

  • 2010/05/31(月) 09:42:01 |
  • URL |
  • イワノ #LdPuG/As
  • [ 編集 ]

Re: すばらしいです

コメント、ブログ紹介ありがとうございます。
Mathmoverでもやることは同じなので参考にはなると思います。

  • 2010/05/31(月) 16:56:58 |
  • URL |
  • kurono73 #-
  • [ 編集 ]

とても丁寧にまとめられていて、大変素晴らしいと思います!同じ地域(?)に、こんなに優秀な学生がいるのかっっっ! っと驚愕しておりますw

  • 2010/06/01(火) 15:22:46 |
  • URL |
  • tiraoka #-
  • [ 編集 ]

マッチムーブwikiの管理人です。
とってもお詳しいですね。
Exif情報を利用して焦点距離を
得る方法は
単なる私の思いつきで、実際に現場で利用されてる方法ではありません。
実は私もやったことないですしw。
どの程度正しく記録されるのかは
裏付け取った方がいいかもしれないです

  • 2010/11/07(日) 18:41:15 |
  • URL |
  • かじやん #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ありがとうございます。

Exif情報を利用して焦点距離を得る方法はそうだったのですか!
自分もまだまだ勉強中で分からないことも多いいですが、
一応掲載前にもいくらか調べて掲載をさせていただいてます。

カメラにもよって変わると思いますが、デジタル一眼などなら
デジタル制御(AF)がついてる物で、メーカー標準の物なら基本
正確な数値が記録させているようです。
コンデジも大手メーカーの物なら基本大きな誤差は無いように
思います。

あと、オートでトラッキングをかけるとレンズ補正の正確さに
よっても結果が大きく変わるように思うので、多少の誤差が
あったとしても数値としてはあった方が良いと思うのでこちら
の方法を紹介させていただいてました。

資料としての裏付けはないのですが、自分が試してる限りでは
大きな問題無いように思います。

  • 2010/11/07(日) 20:50:07 |
  • URL |
  • kurono73 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://cgcompo.blog134.fc2.com/tb.php/3-d7120586
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
; //

FC2Ad

//

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。