中級者向け。(細かい説明を省いています。)
エフェクト合成はまず実景を観察することが大切になります。そして必要な要素を見つけていきます。
まず炎、爆発。これらは基本的に黒バック等で撮られた実写素材を使うか、CG素材を使うかとなります。
これらを綺麗に馴染ませるには?CGの場合はもちろんシュミュレーションの時点でのクオリティも必要です。
でコンポジットで必要となってくるのは、火の照り返や煙、火の粉、場合にとっては飛び散る瓦礫等。
と、今回注意してみるのは陽炎。何かというと炎等を見ると周辺の背景がメラメラしています。
これは熱により空気が圧縮され屈折率が変化してそう見えるそうです。
これはシュリーレン現象と呼ばれるそうです。(正しくはシュリーレン現象の一つが陽炎)
参照:以下の動画はシュリーレン現象を特殊な撮影方法で撮影されたものです。
夏場の道路、戦闘機等のジェット噴射、ガズ漏れ、等々何らかの要因で空気の密度が変化した場合に
見ることができます。上の動画では人間の目では目視できない変化も映っていますが、実際には
ろうそくのような小さな火でほぼ目視出来ません。
これをCG、コンポジットで厳密に表現しようと思うとなかなか難しいですよね~。
とまあより簡単に擬似的に再現してみましょう。
合成する素材(火)をマスクとして、背景をぼかす。

同じく素材をマスクとしで、ディストーション系のエフェクトをかけます。
AEとかならタービュレントディスプレイスメントなどのエフェクト、または、どのコンポジションソフトにも大抵ある
ディスプレイスメントマップを使い(素材のルミナンスを元に背景に)変形をかけます。
最終的に乗せる素材より1フレームほどずらすとよりそれらしくなります。
画像じゃよくわかりませんが・・・

そして最終的に素材を加算、スクリーン、等ので乗せます。その時にAEでコンポジットする場合、前回の記事
AEでリニアワークフロー、カラーマネージメントで書いたガンマ値1.0でカラーをブレンドにチェックが
入っていないと、正しい計算がされません。特に、煙等をスクリーンで乗せる場合注意が必要です。

↓ガンマ補正なしの状態(完全に色が飛んでます)

あとはシーンに合わせてカラコレしていきます。

火で今回はやっていますが、煙、水、等のほとんどのエフェクトで応用が効くと思います。特に背景をぼかすことで
エフェクトの馴染みに結構差がつくと思います。
あとはより演出的にオーバーに表現したり、またはこれらを省く事で演出することもあります。
すべて個人的に考えていることなのであくまで参考程度でお願いします。
参考リンク
understanding-linear-workflow
VFX Tip #1 - Hunk Of Burning Love
CG Water Splashes
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- エフェクト合成の考察・其の一 (2011/06/26)