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3D、コンポジット、マッチムーブ、カメラ、撮影について色々書きます。

Blenderを使用したワークフローの構想

Blenderはただの無料ソフトではなく、オープンソースのフリーウェアです。
そのため多くの方が開発に参加しており、日々新しい機能開発改善が行われています。
そして、そろそろスタジオレベルで耐えうる機能、性能が出てきたのではないかと思います。
ただプロダクションで使うとなるとサポートなどが無いといった問題点もあります。

しかし、からこれ5年近くBlenderを使っている気もしますが、自分はやっぱり使いやすいと思います。

今回はそんなBlenderを商業的映像作品制作を想定してワークフローを組んだらどうなるか構想してみました。
2.5系ベース。これで完全なワークフローとは言えないかもしれませんが・・
※補助的に加えてはいますが、ほぼ完全にBlenderで完結も可能かと。
Blender workflow
※クリックで拡大

詳細は続きにて

1,初期投資
もちろんソフトに費用はかかりません。
モデリングだけならPCスペックもさほどいりません。
OSも2.5系なら Windows、Linux、Mac、FreeBSD に対応。完全にハードだけに予算を回すことも出来ます。

初期投資と言う面で問題になるのがソフトを覚える為の期間です。良く覚えづらいUIと言われているBlender
ですが、2.5系からUIのカスタマイズ性などが上がり、MayaやMAXのショートカットに合わせる事もできます。
しかし、Blenderの初期ショートカットは覚えると非常にアクセス性のよい物になっているので、作業効率は
断然標準のものをベースにした方が上がると思います。
これはBlenderが元々インハウスソフトだったため初めは使いづらくも、慣れると無駄の無い物となっています。



2,ファイル管理
やはり商業的に考えると複数人での制作、制作期間、プロジェクト管理といったことを考える必要があります。
Blenderは内部に複数シーンをもつことが出来ます。これらは各データをリンクさせることも、全く別の
シーンにすることも出来ます。シーン1にキャラ、シーン2に背景。や、カット1、2のような管理が出来ます。
また更に細かくレンダーレイヤにより同一シーンで別ライティングの書き出しやオブジェクト分けを
レンダリング時に細かく指定出来ます。
これらのシーンやレンダーレイヤはこの後のシーケンスやコンポジットノードでも役に立ちます。

ディレクトリ構造をしっかり管理しておけばリンク切れなども起こりにくい用になっています。
またBlenderファイル同士でデータのリンクをすることが出来ます。オブジェクト名でリンクされている
ので例えばオリジナルのデータのポリゴンをいじってもリンク側のデータはきちんと更新されます。
(現状再度開きなおさないと更新はされない)。またデフォルトシーンを作って置いて、そこからリンク
をすることでライティングの統一なども可能です。※リンクしているデータは編集出来ない。
もちろんリンクだけでなくインポートも出来ます。これらを使うとライブラリとして使う事ができます。
これらによりファイルサイズを抑え制作していくことが可能です。

またアウトライナーにより内部構造を把握しやすくなっています。

変更した画面のUIはそれぞれのBlenderファイルにも保存されていますが、それを読み込むかどうかも指定
ができるので、アーティストが使いやすいUI環境で作業が可能です。

またリニアワークフローに対応しているのでカラーマネージメントも簡単に行なえます。

Blenderには自動保存機能があります。時間やバックアップ数も指定出来ます。



3,オブジェクト管理・モデリング
ショートカットが多く振り分けられているので、各機能に最短のアクセスでモデリング出来ます。
各オブジェクトは20のレイヤーで管理出来ます。各パーツを分けたりして表示管理や、レンダリング時の
要素分けに使えてりします。
Blenderは基点の管理がしやすく、回転軸などの指定も容易に出来ます。またミラーモディファイアを
使用すると顔などのモデリングも容易です。更にモディファイア適応後も、別途ミラー機能があり左右の
頂点の位置が同じなら微調整としてミラー編集出来ます。
モデリングで必要になる下絵の表示も各ビューポートごとに画像、サイズ、位置、透明度の指定が可能
もちろん、動画や連番も表示出来ます。
サブディビジョンもモディファイアで管理できるので、レンダリング時のみ分割数を上げたり出来ます。

りトポロジーも非常に効率的に出来、内部、外部のスカルプトソフトと組み合わせる事も出来ます。



4,マテリアル・質感
マテリアルはマテリアルノードやSSSなどが搭載されています。またテクスチャーノードで簡単なテクスチャ
を内部で生成も出来ます。またボリュームレンダリングなども出来ます。
BlenderのUV展開はカットするシームを指定すると多くの場合自動展開で非常に綺麗に展開出来ます。
テクスチャはレイヤ構造になっているので複数のテクスチャをブレンドしたりも出来ます。
もちろん画像形式は多くに対応しています。.psdや相性の良いGimpのファイルも使えます。
内部にもペイント、3Dペイント機能がありますがやはり仕上げは現状Photoshopなどを使った方が良いと思い
ます。ただ下塗りなどには十分に使えます。



5,リグ、アニメーション
ここは自分の専門でないので使いやすいかどうかはハッキリ言えませんが、リグではIK、FKの切り替えや
スプラインIKの使用、などカスタマイズ性が非常に高くリグは組みやすいと思います。
また各アマチュア(ボーン)に対してのウェイト調整もウェイトペイントにより簡単に調整出来ます。
綺麗にリグが組めていると自動の振り分けでもほぼ問題なく行けます。

アニメーションはアクションと、NLA(ノンリニアアニメーション)があり、アクションで付けたアニメーション
をNLAでブレンドして繋げることが出来ます。

BlenderはモーションキャプチャデータBVHデータに対応しています。更にフルキーで打たれたキーを
単純化する機能もあります。(使えるかは未検証ですが・・・)

内部の各要素はすべてアニメーション可能でキーを打つことが出来ます。



6,レンダリング
内部のレンダリングも綺麗ですが、他のソフトと比べるとレンダリング速度は遅いと思います。
しかしネットワークレンダリングなどにも対応しているのでそこまで大きな問題ではないかと思います。
レンダーレイヤや、コンポジットノードへの書き出しや、各要素を.EXRのマルチレイヤーで書き出せます。

Blenderは多くの外部レンダラに対応しています。中でも商業的に考えるとやはりV-Ray for Blenderかと思います。
他にもフリーではYafRayLuxRenderや有料ですがIndigoは相性の良い外部レンダラです。
またBlender to Renderman などもあります。




7,シーケンスエディタ・コンポジットノード
シーケンスエディタではノンリニア編集が出来ます。2で言ったシーンをここで繋げることも、画像、動画
素材を読み込んで繋げることも出来ます。商業観点で見ると、複雑な編集は厳しい面もあると思いますが、
内部でフィニッシュまで持って行けるのは他に無い強みだと思います。これは簡単なアニマティクス、
プリビズを制作するのに役に立つと思います。
また、クロマベクトルスコープでのカラー表示等もできるので色飛びなどを回避してのカラコレが出来ます。

コンポジットノードではノードベースでのコンポジットが可能です。前の記事でも書きましたが、ベクターブラーや
被写界深度などが非常に綺麗に出せます。フル3DCGの作品であれば十分にコンポジット可能だと思います。
では実写はどうか?クロマキーのテストをやってみました。その結果撮影が適切に行われていれば、AEに
付属のKeylightと同等、場合によってはそれ以上の品質でキーイングすることが可能とわかりました。
要するにある程度の規模であれば実写のコンポジットも十分可能ではないかと思います。

またロトスコープも出来るようになったのでより内部完結しやすくなっています。

現状トラッキングなどの機能は無いのですが、次期公式プロジェクトにて付くという噂もあります。





8,パーティクル・シミュレーション
Blenderパーティクルはヘアー・ファーの設定が簡単に綺麗に出来ます。通常のパーティクルは少しカスタム
が、しにくいですがノードベースのパーティクルシステムの開発も進んでいるのでより良くなると思います。

Blender内部では多くのシミュレーションも可能です。剛体、軟体シミュレーション、クロス、スモーク
流体、などのシミュレーションが可能です。もちろんどれもおまけのような物ではなく十分に作品に活かす
ことは可能だと思います。

シミュレーション系は現在も活発に開発がされている様です。






結論
基本的に機能面で足りない部分は無いと思います。
機能によってはMAXやMayaより優れている部分も多くあります。また、Pythonスクリプトによる機能追加、
カスタマイズも出来ます。
しかしながら一からソフトを覚える必要があり今ある物に置き換える事も難しいところでしょう。
海外ではBlenderをメインとしてCMなどを作っている会社もあるので今後そういうスタジオは、特に小さな
会社ではソフトに予算を割く必要がないので増えては行くと思います。
また大規模制作とまでは行かずとも中規模レベルまでの制作には耐えうる物となってきている気がします。

完全にBlenderで完結ぜずとも、モデリングツール等の個々の機能として補助的に使うための導入は非常に
楽だと思います。

取り敢えず書いてて分かんなくなってきたので終了~。
ツッコミやもっと知りたい部分等あれば大歓迎なのでコメント等下さい。
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コメント

blenderの魅力が伝わってきて、興味が持てました。

  • 2011/03/10(木) 03:30:03 |
  • URL |
  • ゲストさん #-
  • [ 編集 ]

くるところまできましたね

1年半ほど前の記事になりますが、やはり専門分野(フォトショとかイラレとか2D)に引きこもってると外のことはさっぱりでとても新鮮でした。
フリーのソフトでここまでできるとは思いもしませんでしたね。
3DCGソフトウェア全般も昔は数百万だったものが数十万。近年では10万円を切ってますますこれからの動向が楽しみです。

  • 2012/03/18(日) 18:52:54 |
  • URL |
  • flatn #-
  • [ 編集 ]

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